「養育里親」になるためには次の要件があり、千葉県知事が里親としての認定を行います。
- 千葉県内(千葉市在住は除く)に居住していること
- 心身ともに健康であること
- 児童の養育について、理解・熱意・児童に対する豊かな愛情を有していること
- 経済的に困窮していないこと
- 里親登録に必要な研修を修了していること
- 里親希望者と同居人(ご家族)が、禁錮以上の刑に処されたことがないこと
- 里親希望者と同居人(ご家族)が、児童福祉法及び児童売春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律、その他国民の福祉に関する法律の規定により、罰金の刑に処されたことがないこと
- 里親希望者と同居人(ご家族)が、暴力団員又は暴力団関係者ではないこと
- 児童の養育に関し、虐待等の問題がないと認められること
- 家庭及び住居の環境が、児童の保健、教育、その他の福祉上適当なものであること
- 里親を希望する動機が児童の最善の福祉を目的とするものであり、里親制度が社会的養護であることを理解し、里親支援機関等と協働が可能であること
※養子縁組里親、親族里親、専門里親に関しては、この他に別の要件があります。
詳しくは管轄の児童相談所又は県児童家庭課へお問い合わせください。
①相談
お住まいを管轄する児童相談所で、里親を希望された動機や
お仕事、家族構成等をお伺いします。
児童相談所名 | 所在地 | 管轄区域 |
---|---|---|
中央児童相談所 | 千葉市稲毛区天台 6-5-2 043-253-4101 | 成田市、佐倉市、習志野市、市原市 八千代市、四街道市、八街市、印西市、 白井市、富里市、印旛郡 |
市川児童相談所 | 市川市東大和田 2-8-6 047-370-1077 | 市川市、船橋市、鎌ケ谷市、浦安市 |
柏児童相談所 | 柏市根戸 445-12 04-7131-7175 | 松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市 |
銚子児童相談所 | 銚子市台町 2183 0479-23-0076 | 銚子市、旭市、匝瑳市、香取市、香取郡 |
東上総児童相談所 | 茂原市高師 3007-6 0475-27-1733 | 茂原市、束金市、勝浦市、山武市、いすみ市、大網白里市、山武郡、長生郡、夷隅郡 |
君津児童相談所 | 君津市中野 4-18-9 0439-55-3100 | 館山市、木更津市、鴨川市、君津市、富津市、袖ケ浦市、南房総市、安房郡 |
②研修受講
養育里親、養子縁組里親を希望する方は必須です。
士日を中心とした講義(3日)・実習(2日)を受講します。
講義:児童福祉論等、国が定める研修を受講します。
実習:児童養護施設等で、必要な知識と養育技術を習得します。
③申請
管轄の児童相談所へ申請書を提出します。
④調査
児童相談所の職員が家庭訪問をし、家庭状況やご夫婦の考え方などをお同いします。
戸籍、生活歴、履歴なども伺います。
⑤審査
申請書を提出した児童相談所にて、所長が面接を行い、これまでの調査を確認します。
その後、年2回行われる社会福祉審議会で里親としての適格性が審査されます。
⑥認定・登録
審議会で審査意見に基づき、知事が適格と認めた方が里親として認定・登録されます。
(1)こどもの委託について
児童相談所で保護したこどもの保護者が里親への委託を承諾した場合、またはこども自身が里親のもとで生活することを希望した場合に、
そのこどもや里親の条件等を検討しながら、児童相談所がこどもにあった里親を選び委託します。
委託とは、児童相談所で保護したこどもを養育することが適当であると認めた里親等に養育してもらうことです。
あくまでも、委託先は児童相談所が決定するため、里親の気に入ったこどもを自由に選べるわけではありません。
委託されたこどもによくみられること
里親に委託されたこどもは、年齢やそのこどもの背景によって違いはありますが、時期によってさまざまな行動を表します。
一般的に表れる特徴的な行動としては「赤ちゃん返り」や「試し行動」などがみられます。
- 赤ちゃん返り
里親のそばからひと時も離れなくなる、おんぶ抱っこを頻繁に迫る、今までできていたことも「できない」「やって」と甘えてきます。
- 試し行動
里親が嫌がること、不快に思うこと、明らかに良くないと分かっていることを“あえて”行います。里親が自分にとってどこまで信頼できる存在なのか、自分が悪いことをしても受け止めてくれるのか里親を試そうとします。
(2)こどもの委託解除について
こどもが里親から委託解除になる場合は、下記の3つのケースがあります。
①家庭引き取り
保護者が再びこどもを養育することができるようになった場合には、家庭引き取りを検討していきます。
引き取りの時期や方法については、児童相談所が調整します。
②満年齢
こどもが18歳になるまでは、原則的に継続して養育することが可能です。
また、18歳を超えても引続き支援が必要な場合には、20歳まで養育を延長することができます。
③養子縁組の成立
養子縁組が成立したら法律上の親子関係となるため、委託解除となります。
《参考》養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」があります。
普通養子縁組
未成年を養子とするには、家庭裁判所の許可が必要となります。
養子と実親間の相続や扶養義務等の法律関係は残り、戸籍の続柄には養子と記載されます。
15歳未満の養子縁組については、親権者の承諾が必要となりますが、15歳以上の場合には本人の意思表示により養子縁組が可能です。
特別養子縁組
委託されたこどもが15歳未満で、原則として実親が同意している場合で、養親との親子関係を新たに結び、かつ実親との親子関係を解消することがこどもにとって有益であると家庭裁判所が認めた場合に成立します。
戸籍の続柄には子と記載されます。特別養子縁組は普通養子縁組と異なり、一旦成立すると原則として離縁はできません。
※特別養子縁組を前提として里親委託した場合は、家庭裁判所に申し立てた後、6か月以上の養育期間を経て審判がされます。
- こどもを委託されたら、まず、そのこどもを家族の一員として迎え入れてください。年齢に応じて、学区内の小学校や中学校等に通わせてください。
- こどもの生活費については、国・県で定められた養育費が毎月公費で支給され、里親のロ座に振り込まれます。(主な里親措置費一覧を参照)
- 医療費は、児童相談所で発行する受診券によって支払うことができます。医療機関に提示すると、保険対象の医療費については公費で払われます。
- 所得税法上の扶養控除が認められます。
- こどもの保護者との調整については、原則、児童相談所が間に入って進めます。里親が直接、保護者と対応することはありません。
- こどもにとって慣れない環境で生活することは不安です。また里親にとっても不安や悩みが出てくると思います。里親子が安定した生活ができるよう児童相談所の職員が訪問しますので、一緒に考えながら進めていきましょう。
<<参考> 主な里親措置費について
委託期間中は、毎月、国基準及び千葉県基準に基づき、里親手当、一般生活費、教育費など一定の金額が支払われます。
さらに、こどもの年齢に応じて、実費で支払えるものもあります。
(主な措置費一覧)
乳児 ・幼児 | 小学生 | 中学生 | 高校生 | 特別支援学校高等部 | |
---|---|---|---|---|---|
幼稚園費 | ○ | ||||
学習塾費 | ○ | ○ | ○ | ||
部活動費 | ○ | ○ | ○ | ||
学校給食費 | ○ | ○ | ○ | ||
教材費 | ○ | ○ | ○ | ||
通学交通費 | ○ | ○ | ○ | ||
見学旅行費 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
夏季等特別行事費 | ○ | ○ | |||
特別育成費(学校納付金、教材費、交通費等) | ○ | ||||
入進学支度費 | ○ | ○ | ○ | ||
大学進学等 自立生活支度費 | 進学時 | 進学時 | |||
就職支度費 | 就職時 | 就職時 | 就職時 |
(※)里親がこどもにかかる教育費等の支給を受ける際には、所定の証明書を学校から発行してもらう必要があります。
(例)在学証明書、学校給食証明書、教科書等指定証明書など
(1)里親登録の有効期間
養育里親、養子縁組里親の登録有効期限は5年間、専門里親は2年間です。
更新を希望する場合は、更新研修を受講した後、欠格事項に該当していないこと、希望するこどもの条件などを再度確認して、改めて審議会で登録の更新を審査いたします。
(2)受診券について
委託されているこどもが医療機関を受診するときは、受診券を窓口に提出してください。
受診券を提示すれば、里親の窓口負担はありません。
保険区分ごとの医療費の取り扱いについては、以下のようになります。
保険区分 | 医療費負担区分 | 請求・支払い |
---|---|---|
社会保険被扶養者 | 社会保険給付 公費負担併用 | 千葉県社会保険診療支払基金 |
国民健康保険披扶養者 | 国民健康保険給付 公費負担併用 | 干葉県国民健康保険団体連合会 |
無保険者 | 全額公費 | 千葉県社会保険診療支払基金 |
(3)こどもの名字(呼称)について
里親と委託されているこどもの名字は異なっています。
特に、乳幼児期に委託されたこどもは、自分が里親の名字と違うことを知らない場合もあります。
里親が「育ての親」であることをこどもに伝える、いわゆる『真実告知』については、管轄の児童相談所と話し合って進めてください。
(4) レスパイト・ケア制度について
里親が一時的に委託されているこどもの養育を休憩するために、乳児院や児童養護施設等、または他の里親へこどもを預けることができ、これを「レスパイト・ケア」といいます。レスパイト・ケア制度を利用する際には、管轄の児童相談所へ相談してください。
※児童相談所を介さず、里親同土の話し合いでこどもを預けること(=実質的なレスパイト)はしないでください。